「自分と関わる人たちを幸せにしたい」という思いで起業したカンボジア活躍人、清野氏
今回は、広告代理店「UG Marketing Republic」で活躍される清野氏にインタビューをさせて頂きました。
貴社の事業内容について教えてください。
2014年に立ち上げた会社を譲渡し、カンボジア以外での展開も視野にいれて新しく設立した広告・マーケティングの会社です。内容は、元の会社での経験を生かして、販売促進、インフルエンサー・マーケティング、イベント、デザイン、印刷・制作物、IT関連、レンタカーなどを行っています。「情報 ✕ ノウハウ ✕ スピードで、顧客の“やりたい”をカタチにし、成果につなげる。」という理念で、私のもっているものを全てクライアント様に提供していきたいと思います。
清野氏のカンボジア移住までの経緯を教えてください。
大学卒業後、新卒で「株式会社ぱど」に入社し、16年間勤めました。主にフリーペーパーなどを発行している会社で、当時はニッチなメディアということに興味を惹かれたのと、勢いのある社風にも魅力を感じ入社しました。広告営業がメインで、イベントや制作物など一通り広告関連の仕事を経験しました。
「株式会社ぱど」を退職後、2013年4月にカンボジアへ移住。
1ヶ月くらいいろいろとビジネスの種を探し回っていたのですが、日本から持って行った調味料とローカル市場で買った食材で料理を作ってみたら、意外とカンボジア人の受けが良く、まずはデリバリーのお弁当屋としてスタートしてみることにしました。仕事をはじめてみると、お客様や知り合った人たちから、チラシ制作や雑誌つくり、ウェブ関連やイベントなどの仕事をいただくようになりました。
お弁当よりも今までやってきた広告の仕事の方が世の中のお役に立てると実感しました。「クーポンキング」という自社メディアを作ったのをきっかけにお弁当屋を廃業し、広告代理店として2014年2月に法人登記をしました。
なぜ、カンボジアという国を選び、進出しようと決めたのですか?
大親友の他界や離婚、そして東日本大震災などを経験し、「自分が本当にやりたいことをやらないと後悔する」と心の底から思いました。やりたいことの一つが海外に移住して自分のビジネスを立ち上げることでした。
もともと旅することがとても好きで、大学の頃にバックパッカーをしたり、社会人になっても海外旅行を続けていました。いろんな国を旅した中で、住むのであれば、人の良さと、ゆったりとした空気が流れているカンボジアとラオスがいいと思いました。そして、ビジネスをするのであれば、その中で一番大きな街である、カンボジアの首都プノンペンにいたほうがいいと思い、決めました。
米ドルが流通しているとか、外資100%で会社を作ることができるとか、カンボジアが起業に向いているなと思ったのは、その後に知りました。
貴社で大切にしていることを教えてください。
大切にしていることは2つあります。
1つ目はグローバルスタンダードのサービスを提供することです。限られた資源の中で、世界基準のきちんとした品質のものを提供できるよう努めています。
2つ目は納期です。カンボジアでは、納期を守る意識が低かったり、停電が起きたり、材料が来なかったりするなど、日本では当たり前のことが様々な要因によって厳しくなることが多いです。しかし、納期が守れないとクライアント様が困るのは万国共通です。なので、納期を守ることを弊社では大切にしています。
清野社長が大事にしていることはなんですか?
私と関わる人に「清野と関わって良かった!」と思ってもらいたいです。結果的に広告業をしているのも、自分がお客様に喜んでもらうにはこの分野だと思ったからです。お弁当はあまり満足してもらえなかった…笑。
また、昔は、将来こうしたい、とか、もっとこんなことしたい、と思い、それの実現に向けて頑張っていましたが、カンボジアに来てからは、一年後にどうなっているか、どんな人と出会っているか、どんな環境になるのか想像つかないことも多く、考えることをやめました。目の前のことをしっかりやり、出会った人との縁を大切にして、一日一日を大事にすることで、きっと自分にとっていい感じの未来になっていると確信できるようになりました。
新型コロナウイルスによって影響を受けてしまっている事、それに対して今取り組もうとしていることを教えてください。
予定していたイベントの仕事が全部白紙になりました。また、ルーティンワークのように惰性でしていた夜遊びをぴたっとやめて家にいることが多くなりました。
しかし、イベントの仕事に使っていた時間の代わりに、今までよりもネットの仕事が増えました。SNSを使った販促や、ウェブ関連などの新しい領域まで。
また、世の中全体として、今まで以上にネットに頼るようになっているので、まずはカンボジアでコロナ後にどういうWEBマーケティングをしていくとよいのかをどんどん研究していきたいです。これは特に夜遊びに使っていた時間と予算を当てていきたいと思っています、笑。
そして、カンボジアだけでなく、第三国にも広げていきたいです。原則はどの国でも変わらないと思うので、カンボジア、日本に限らず横に展開していきたいという思いはあります。
個人としての取り組みとしては、カンボジアの田舎の村をサポートしていきたいです。私はカンボジア人の妻がいるのですが、実家の村には、本当に何もありません。
ビジネスを生み出し、村の人たちに現金が回っていきながら、生活改善ができるような取り組みをしていきたいと思っています。
今後のプランを教えてください。
一日一日を大事に過ごす中で、チャレンジは常にしていきたいと思っています。チャレンジするのはとても怖いです。未だに怖いです。でもチャレンジするチャンスがあるのにしなかったら、とても後悔することを知っているので、チャレンジはし続けます。
自分がこれやりたいと思ってやるチャレンジは自分で撒いた種なんで、やるのは当たり前です。
それ以上に大事にしていることは、誰かからやってみない?と振られたチャレンジです。未知のことだったり、苦手意識があるようなことでも、きっとその人が私に話を振る理由があるからで、そういう縁を大事にしていきたいと思っています。
今後カンボジアで企業をお考えの方にアドバイスをお願いいたします。
十分な資金を用意しておくこと。これにつきると思います。まず人件費ですが、確かに平均賃金は安いかもしれませんが、安い賃金=パフォーマンスも低いので、成果に結びつけるのに時間がかかります。逆にハイスペック人材は現地日本人よりも高給だったりします。物価も高いと思います。ほとんどが輸入品なので、日本より高いものが多く、種類も限定されます。
なにより、想定外の出来事や、出費がとにかく多いので、計画よりも多く用意しておいたほうがいいです。使わない分は、現地マイクロファイナンスの普通口座で年利5%とかもあるので、入れておけばそれだけでもそれなりの収益になります。
清野氏の著書
海外ビジネス、サーシャの教え: カンボジアで起業した僕が、サーシャから教わった大切なこと
元広告代理店のデザイナーだったユウジは、起業目的でカンボジアに移住し、一人デザイン事務所を開いた。
ある時、サーシャという女性と出会った。偶然の再会から、サーシャはユウジのメンターとなり、やがてビジネス・パートナーとなっていく。彼女とのやりとりを通じて、ユウジはデザイナーから経営者へと成長していく。
2013年にカンボジアで実際に起業した著者の体験をもとに描かれた物語で、読み物としてだけでなく、ビジネスパーソンにとって学びのある内容となっている。
UG Marketing Republic
清野 裕司氏(Founder & CEO)
経歴
東京都板橋区出身
獨協大学卒業
「株式会社ぱど」に入社後、16年間勤務。
2013年4月カンボジアに移住し起業。初めはお弁当屋を立ち上げ、2014年2月に広告代理店を設立し、2020年3月に事業譲渡、同月、「UG Marketing Republic」を設立
WEBサイト:https://ugrepublic.com
E-mail:info@ugrepublic.com