人権に関する動き

カンボジア人権委員会のケオ・レミー会長(Keo Remy)は、アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドさんが警察官によって殺害された事件を受けて、アメリカでの「人種差別」を指摘し、カンボジアには「完全な表現の自由」があると述べた。

レミー氏のコメントは、フロイドさんの死を巡って集会を開いたデモ隊の取り締まりの際に、人権侵害に対する米国の批判を怠ったとして、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア部門のブラッド・アダムス事務局長を、フン・セン首相が批判したことを受けてのものだ。

土曜日にカンダール州サアン地区で行われたチャリティーイベントの中で発言したレミー氏は、フン・セン氏の指導の下、カンボジア人には法律によって守られた十分な権利があると述べた。レミー氏は「表現の自由」に制限がないことを指摘し、法律に違反した者だけが罰せられると述べた。

5月25日にミネソタ州ミネアポリスで警察の手によってフロイドさんが殺害されて以来、何十万人もの抗議者がアメリカ国内だけでなく、世界40カ国以上で人種的平等を求めて集会を行っている。

「警察に首を押さえつけられて窒息死した黒人男性の事件がデモのきっかけですが、米国で同様の死亡事故が起きたのは今に始まったことではありません」「すでに水が満杯になっているコップのようなもので、もう一滴足すだけでこぼれてしまうのです。黒人に対する発砲事件は今までも数多く起きています」と述べた。

人権団体リカドー(Licadho)の監視担当副部長アム・サン・アス氏(Am Sam Ath)は7日、米国における人種差別に関するレミー氏の立場についてはコメントせず、代わりにカンボジアにおける表現の自由に関する発言を否定した。

「我々は過去にEUと国連がカンボジアに対し、民主主義を回復し、人権と表現の自由を尊重するよう繰り返し呼びかけてきたことに留意している。」と述べた。

政府は最近、カンボジアがウイルスの流行中に「表現の自由」を抑圧しているとする国連人権高等弁務官ミシェル・バチェレ氏(Michelle Bachelet)の告発を否定した。水曜日に、スイスのジュネーブにある国際連合カンボジア政府代表部は告発に対して「全く遺憾である」とコメントした。

バチェレ氏は報告の中で、新型コロナウイルスの危機の間、カンボジアを含むアジア太平洋地域の一部での『表現の自由に対する弾圧」に警鐘を鳴らした。彼女は、パンデミックに関する虚偽の情報の拡散を止めるために取られた行動が比例的に増えていると述べた。

バチェレ氏は、カンボジアの国連人権事務所が、新型コロナウイルスをめぐるコメントやソーシャルメディアの投稿に対して、6人の女性と14歳の少女を含む30人の逮捕を発表したと述べた。

「いわゆる『フェイクニュース』や『偽情報』の拡散、重罪につながる扇動、政府に対して陰謀を企てたとされる容疑で起訴された人が多数います」「14人が拘留されたままで、そのうち10人は、2017年に(裁判所によって)解散した主要野党であるカンボジア国家救援党(CNRP)に関連しています」と報告した。

これに対し代表部は、バチェレ氏の報告書が 『不確実で限定的な情報源 』に基づいていると反論した。

代表部は、「コロナウイルスは危険な病気ですが、フェイクニュースやデマも同じく危険なのです。それが恐怖やパニック、社会的な無秩序および情報自身また国家の信頼の損失に繋がりかねないのです。」 と指摘し、カンボジアは表現の自由の支持、保護、促進、ならびに出版法と憲法による出版物の保障を重要視していると述べた。

「法を守る市民の声は広く、明確に聞かれなければならず、また擁護されています。従って、取られる措置は表現および出版物の自由の抑圧とはみなされません」

代表部は、「人権問題の検討においては、客観性、非差別、非選択性、非政治化を保証することも同様に重要です」として、情報源として一握りのメディアやNGOだけに頼ることを控えるよう、バチェレ氏とカンボジアの同国事務所に促した。

サン・アス氏は、新型コロナウイルスに関連するニュースをめぐって逮捕者が出たことに言及し、ソーシャルメディアにコメントを投稿する前に事実確認をするよう人々に促したと述べた。

「私はカンボジアが他のアジア太平洋諸国のように民主主義の原則に則っている国であると思います。表現の自由は民主主義の基礎であり、その自由には建設的な批判をする権利も含まれなければならなりません」「私は、人々がソーシャルメディアで積極的に活動している一方で、彼らはリスクを伴っている情報を如何に確認するかという方法は知らないということを指摘したい」とコメントした。

 (各ニュースサイトを参考に編集・制作しています)