コロナ禍で生き残るために

カンボジア国内では未だ新型コロナウイルスによる死者はいないものの、経済は窮地に立たされている。特に、主要産業である観光業と繊維業は多大な打撃を受けており、世界銀行は「現代カンボジア発展30年の中で最大の危機」と評し、175万人が失業の恐れがあると試算している。

観光客は前年から94%減少し、観光依存だった寺院は困窮、もはやその様子を映すインスタグラマーの姿すら見られない。

バンテアイ・スレイ寺院で外国人観光客向けにガイドブックを販売しているスタッフは、「一体どうしたら良いのでしょうか」と力なく答えた。

この状況は由々しき事態であるが、残念ながら、魔法のように簡単な解決策と言ったものは存在しない。しかし、すべてのビジネスに通ずる重要な資源ならある。それは変化する状況に対応するための創造力である。幸いなことに、カンボジアにはその力が豊富に眠っている。

吸気口にシュノーケルを装着させたバイクで氾濫した川を渡るというアイデアのように、創造力とはあらゆる独創的な修復や改良の中に見つけることが出来る。この奇想天外なアイデアは、若者の独創性を支援するリガー・リーダーシップ・アカデミー(*1)で生み出された。アカデミーの生徒たちは、電子通貨や持続可能な観光事業、公立学校向けの太陽光発電を用いたコンピューターラボなどを開発し、数々の国際的な起業家コンテストで優勝を獲得した。その全てが生徒自身で作り上げたものだ。

激動の時代は、創造性にとって最適な場であり、優秀なビジネスマンはすでに行動を始めている。ツアーコンダクターは外国人向けから国内観光者向けのプランを組み直しており、長期的にはより持続可能な方法である。苦境が続くレストランが宅配サービスに参入したことで、Eコマース業界が好調となり、新世代の起業家にとって追い風となっている。いくつかの新興企業がこの期間で急成長を遂げている。酒の輸入業を営むDavid Ghani氏は、大きな打撃を受けてこう語った。「国境が閉鎖され、取引先のほとんどが休業となってしまい、とても厳しい状況です。」「ビジネス環境は激変しました。企業は生き残るために変化に適応しなければなりません。」

残念なことだが、一部の企業や経営者は創造性について誤解を抱いており、それが創造性への足かせとなっている。彼らは、創造性とは一風変わったグラフィックデザイナーや口八丁な営業マンのためだけのもので、贅沢なものであると勘違いしている。

しかし、創造性とはあらゆる事業の根幹にあるものである。すべての事業や非政府組織などは疑問に対する創造的な回答に端を発している。つまり、「どうしたらより良い人生を送れるだろうか?」「何か他の人がやっていないことができないだろうか?」「どうしたら世界をより良くできるだろうか?」といった疑問である。今、企業はこの精神を取り戻す必要があるだろう。

創造性を妨げるもう一つの誤解は、雷に打たれたかの如くアイデアをひらめく「創造的な人々」のためだけにある言葉だということである。実際には、神による突然のひらめきと同じくらい、分析と推論によって導き出されるのである。創造性を妨げるのは、それには常に費用が掛かるという思い込みだ。しかし、創造的であるということは、今ある資金をどのように活用するかを考え、効果的な収益方法を生み出すことである。Priyanka Chetry氏の雑貨店では、ビジネスモデルを柔軟に変化させ、人員を増やすことで、この時期に165%の増益を達成した。

*1:Liger Leadership Academy

 

(各ニュースサイトを参考に編集・制作しています)