コロナ対応、EBAより優先度高

12日、政府は新型コロナウイルスへの対応をEUのEBA協定(武器以外の全品目を数量制限なしに無関税でEUに輸出できる原則)措置の撤廃よりも深刻に受け止めているとした。

欧州委員会(EC)は、12日にカンボジアからのEBA協定の20%を正式に撤廃した。これにより、カンボジアからEU27か国への年間輸出額の5分の1か、10億ユーロの影響があると懸念されている。

ECは、さらなる決定のためにはカンボジアでの人権を取り巻く状況の様子を見る必要があるとしている。

ECの発表では、「EUは、カンボジアのEU市場への無関税かつ無枠な輸出を部分的に撤回することにした。今までカンボジアは、EUが後発展途上国に対して行っているEBA協定の優遇措置を受けていた。しかし、近年同国において深刻かつ組織的な人権問題が起こったため、この措置を一時的に解除することにした。」「EUは今後必要な改革に向けてカンボジアとの関係を保ちつつ、この措置を実施する」とされた。

Phil Hogan貿易担当委員は、EBAによってカンボジアは輸出志向の産業を発展させ、何千人という雇用を創出できたと語った。

「一部撤回されたとはいえ、我々が継続的な支援をすることは、カンボジアで人権と労働者の権利が尊重されるための緊急要請を止めることではないです。もし人権に関する事態に改善が見られた場合、カンボジア製品のEU市場への自由輸出を再開させる用意があります。」

EBA協定が停止されたことで、カンボジアのEUへの関税ルールは世界貿易機関に所属している他国のものと同じになる。引き続き、カンボジアからの80%は無関税かつ無枠でEU市場へ輸出される。

EUは、カンボジアにおける表現の自由や市民、政治、土地紛争および労働者の権利の制限の状況を注意深く観察すると表明した。

委員会はカンボジア当局に対し、同国の政治的自由を回復させ、信頼に足る民主的野党のために必要な環境を確立させ、また妥当かつ包括的な対話を通じた国民理解の場を作るように求めた。

プレスリリースでは、「もしカンボジア政府が市民や政治の権利に関して大きな進展を示した場合、欧州委員会は今回の決定を見直し、一般特恵関税制度の規定に沿ってEBA協定の関税優遇制度を復活させるかもしれない。」と述べられている。

プノンペン・ポストの取材に対しては、大手組合の指導者であるRong Chhun氏が逮捕されたことへの懸念も示した。

EUとカンボジア間の昨年度の貿易総額は56億ユーロに上り、カンボジアにとって中国に次ぎ2番目の貿易相手国であった。一方、カンボジアはEUにとって54番目の貿易相手国である。

政府高官らは、カンボジアの独立性と主権をEBAの取引材料にすることは出来ないとして、EBAの停止の影響を相殺するとした。その裏には、EBAの停止の影響をカバーする利益がすでに生じていると考えているようだ。

経済財政省のMeas Soksensan報道官は、新型コロナウイルス流行以前からEBA停止について準備がなされてきたとして、両者に対する11億ドルの準備予算の存在を強調した。

この準備予算は、損失の補償や構造問題の解決、小規模金融と公的金融危機からの回復力強化、公的機関の有用性と効率性の向上に充てられる。

これによって、新たな雇用の創出、衣料品業界の業務間交流の促進、短期間の職業訓練の実施、競争力強化、経済の多様化の促進などが可能になる。

また、政府は金融の安定を保障するほか、成長促進のための予算活用、運営介入のための財源確保、金融および銀行制作を継続して実施する予定だ。

Soksensan報道官は「競争力については、国内で事業を展開するすべての企業による不要な運送経費の削減に大きな進展がありました。このような不要経費は政府の責任であります。」

Phay Siphan報道官は、貿易の多様化を促進する準備があるして、中国との自由貿易協定調印と、その後に控える韓国と日本との調印を挙げた。

「EBA停止によって失われた20%を補うだけの競争力を作り上げるための資金は揃っています。」「この損失は、欧州市場全てを失ったということではありません。我々にはまだ別の可能性がありますし、納税能力があることも示してきました。現在は、他の市場を開拓中です。」

カンボジア衣料製造協会(GMAC)のKaing Monika副事務局長は、EUの決断に遺憾の意を示しながらも、驚くべきことではないとした。

協定停止に対処するにあたり、GMACは衣料品、靴および旅行用品製造業の開発戦略について政府に提言してきたとして、現状を以下のように述べた。

「新型コロナウイルスの脅威は差し迫った問題であり、EBAよりも深刻です。」

 

(各ニュースサイトを参考に編集・制作しています)