カンボジア人の就活、労働文化(後編)

さて引き続き今日はカンボジアの人と仕事をしていく上で見逃せない、
彼らの労働文化などについてご紹介していきます。
もともとが土壌に恵まれた、ゆるーい農業国家でしたので、
日々のノルマや就業時間などについては、認識の擦り合わせが必須です。
帳尻さえ合わせてしまえばいいじゃないか文化が強く、
待ち合わせ時刻なども、あくまで目安です。
こちらが約束の時間に約束の場所に到着したのを電話で聞いてから、
向こうが自宅を出発する、というのが普通にあります。暑いからでしょうかね?
そういった土壌で育った人たちなので、共有ルールの作成と衆知が必要です。

日本人的には「ルーズ」に映りますが、そういう習慣の国なだけで、
こちらが時間厳守を求めれば、素直に従ってくれる事が多いです。
一方で社外の業者外注の際などは、平気で一日二日は遅刻(遅刻?)してくるので、
ローカルの業者に依頼などをする際には、その前提の下でスケジュールを立てる事をお勧めします。

また日本人との大きな違いとしては、会社に所属して会社に奉職する、という意識ではなく、あくまで彼らの最優先事項は自分の家族です。
「仕事を優先して家庭を犠牲にする」といった古来からの日本式美意識はこちらでは評価されず、どちらかと言えば批判され、不思議がられます。
価値観の違いと言えばそれまでですが、あらためて言われてみると確かに、と思う部分もあります。

あくまで仕事は家族の幸せのため、給料額や体への負担を参考に会社を選び、
会社が好きというよりは、上司やボスが好きだから、という理由で、
彼らはモチベーションを維持しています。
また「同年代の友人がこれぐらいもらっているから」という理由で
昇給を求めて来るケースもありましたが、
その「友人がもらっていると自称していた額」がそもそも盛られていた、
なぜなら友達に自慢したかったから、という事があり、
他人の、それも異民族への給料を決めるというのは
なかなか神経を使うものだな、と感慨深く思った次第です。
すみません嘘をつきました。実際には相当キレました。

基本的には悪意のない、無邪気な国民ですので、
悪気があってこういう問題を持ち込んで来るわけではありません。
毎回のコラムで述べておりますが純粋に習慣、文化の違いです。
抜本的な解決法は少なく、根気よく話し合いを持って
双方の都合や認識を理解し合い、すり合わせていくしかないと思います。
外国人上司の下で働く日本人も、同じように不可解に思われているかもしれません。
多民族の共生っていうのはハードルもあり、新しい発見もあるものですね。