カンボジア人の就活、労働文化(前編)

本日のトピックは、カンボジアで会社やお店を経営されている方が
しばしば口にされる、カンボジアの人たちの労働意識についてです。

昔話をちょっとしますと、
2010年以前のカンボジアは、国内産業そのものが乏しく、
また企業自体の数も今と比べるとずっと少なかったため、
基本的には若者みんなが常に求職状態でした。

外資系企業もそれほど多くはなく、経済特区などもスタートしたばかり、
日系企業がそもそも希少でした。
日本語を学習しているカンボジア人はいましたが、
基本的には「趣味」または「親日感情の表れ」であり、
習得した日本語を就職に活かすには、数少ない日系企業か日系NGOでの通訳、
または日本語学校に教師として雇用されるというケースが殆どでした。
高給なだけに狭き門でしたので、日本語学習者の花形成功モデルでした。

レストランやホテルなどの仕事も当時からありましたが、
やはり圧倒的な買い手市場、今から考えると恐ろしく安い給料提示額で、
ビックリするぐらいの応募が来る時代でした。
参考までに実体験を紹介しますと、2006年ごろは月50$の求人募集に対し、
200人の応募が来た事があります。全員と面接するのに一か月かかりました。

2010年以降になると日本企業も徐々に増え始め、
プノンペンにショップや工場の数が増え、
徐々に「仕事が選べる」様になってきます。
最低賃金と言われるものも意識され始め、
お給料の良し悪しで勤務先を選ぶ時代になってきました。
イオンもできて、マイクロファイナンスの会社が増え、
ローンでバイクや携帯、車を買う人が増えました。
無職ではローンは組ませてもらえないので、
それだけ職が増えたという事だと思います。高度成長期ですね。

こうなってくると以前とは逆に、就職活動をする若者たちも強気です。
彼らが思う(思い込んでいる)相場給与というものがあり、
またカンボジアの関連法律は、労働者の人権に対し大変配慮されています。
こういった部分が、日本から来られた雇用者側の方が戸惑う、
認識のギャップを産んでいるのではないかと思う次第です。
労働者の夜勤や休日出勤に対して、また有給休暇に対して、
かなり明確に、かつ熱心に法整備がされています。
日本で働いていた時にも、私ここまで社会から大事にされた事はありません。
「途上国のくせに労働者を甘やかすから国際競争力が育たないんだ」と
日本人の方が憤っておられた事がありましたが、
確かに雇用する側から見れば、また日本人の一般認識からすれば、
カンボジアの人と一緒に仕事をしていく難しさ、というものはあるかと思います。

次回はそこについて、具体的に掘り下げていきます。