カンボジアの教育

<カンボジアの教育制度>

カンボジアの教育制度は日本と同じ6・3・3制で、最初の9年が義務教育である。学校は,通常月曜日から土曜日までだが、1970年代のポルポト政権による内戦後、教室や教師が不足した結果、多くの小・中・高の授業は午前と午後の2部交代制になった。(グラフ1参照)午前は7時から11時まで、午後は1時から5時までのそれぞれ4時間。中学校3年生(第9学年)と高校3年生(第12学年)には、卒業試験がある。そのため中学生の中には、学校での授業だけでなく、午前か午後の空いた時間に塾や私立学校などに通っている。

また、カンボジアの高校の必修科目は数学、クメール語(国語)、歴史、生物、英語(またはフランス語)、化学などあり、選択科目は体育、芸術、工作、裁縫、農業などがあるが、設備や機材が不足しているため、一週間のうち、限られた時間しか授業ができない。

(グラフ1)

1校あたり平均教員数(単位:人)

教員1人あたり生徒数(単位:人)

<進学率>

小学校:89.6%(プノンペン94.2%)

中学校:46.8%(65.4%)

高校:23.3%(40.7%)

大学:1%程度

 

<カンボジアの教育の問題>

・多くの教員が副業している。

カンボジアの教員の給料(平均:約25ドル)はとても低く、副業している教員が多い現状がある。学校が終わった後に塾を開講したり、休日にタクシーの運転手をしたりする人もいる。学校終わりの塾では、そこで、時間が足りずに教えられなかった、本来なら学校で教わるべき内容が教えられ、塾に通うことのできない生徒は、授業についていくことが難しくなる。このように、授業の準備時間が削られ授業内容や質に影響が出たり、貧困の生徒が授業についていくことが難しくなったりするなどの問題が起きている。

・教員養成の質が低い

民主カンボジア時代に、知識人を嫌ったポル・ポト政権は、多くの教員を殺害した。教育に携わる人材としての教員が虐殺の対象となり、この期間で教員の約 4 分の 3 にあたる 20 万人もの教員の命が絶たれ、教員数を増やすには、指導要件を満たしていない教員や、小卒・中卒で教員をしている人の採用もしなければならず、教員の質が低くなってしまったのである。

また、教員養成カリキュラムや教員養成用の教材の整備が不十分であり、また、教員養成に携わる教官の資格や採用基準が不明確であるなど教員養成に関する明確な政策はない。

・生徒の留年率、退学率が高い

上記の<進学率>の所でも述べたように、中学、高校への進学率が低い。それは、家庭の事情で働かなければならない生徒や勉強と家事の両立が難しい生徒など、様々な理由がある。

 

<日本による支援>

JICAによるカンボジア発の4年制教員養成大学が開校(20181221日)

・技術協力

「教員養成大学設立のための基盤構築プロジェクト」(2017年)

広島大学や奈良教育大学の協力を得て、日本の経験を踏まえ、教員養成大学の運営計画策定や体制・指導教官の強化、4年制の教員養成課程に向けた理数科分野のカリキュラムやシラバス、教材の作成などを支援。また、アメリカ国際開発庁(USAID)など他の支援機関にもカリキュラム作成の協力を呼びかけ、様々な関係者と協働しながら教員養成大学設立に向けた歩みを進めている。これらの支援により、201811月から12月にかけて、カンボジアで初となる4年制の教員養成大学が プノンペンとバッタンバン州に各1校開校し、この度、開校式が開催された。

・無償資金協力

「教員養成大学建設計画」

同大学2校の校舎等の増築を実施している。また、同大学の教官も不足しているため教官候補者を広島大学に招き、育成を図るなど、教員養成大学の設立と円滑な運営に向けた包括的な支援を行っている。

(各種サイトを参考に編集・作成しています。)