カンボジアのパニック:噂が起こしたヒステリー

2003年5月7日に住民は緑豆を求め通りにでた。この奇妙な行動は、真夜中までに豆を食べなかったものは誰でも世界的に猛威を振るったSARSに感染し死ぬという迷信から来ていた。この迷信はおとぎ話から始まった。シェムリアップ州のある新生児は生まれてから数時間で奇跡的に話すことができ、両親にウイルスからの感染を防ぐ唯一の方法はその日の終わりまでにボール1杯の緑豆を食べることだと告げた。物語は山火事のように広がり、緑豆の価格は急騰した。その後まもなく多くの人が豆を食べていた。しかし、真夜中までに野菜を食べたかどうかに関わらず、誰もウイルスで死ぬというで説は反証された。最初は全ての噂を信じ込まないよう教訓を得たようだったが、17年後COVID-19の流行が世界中を襲ったため再び新生児の話が浮上した。国は感染の第一波に見舞われた際には、食料不足の可能性が話され、多くの人々が食料や医薬品のなどの必需品を備蓄した。食料品店や薬局の棚が空になり、小売業者が需要に追いつくために急いでいる中、喋る新生児の話が広まった。今回は、卵が「ワクチン」と公表されたが、再びこの話は反証され、情報を確かめることの重要性を示した。

しかし本当に教訓は学ばれたのか?おそらく違うだろう。先週、カンボジア国立銀行から、商業銀行やMIFに対して、米ドル紙幣の需要が低いため中央銀行に送るようにと発表され、このニュースは1,2,5ドル紙幣がもはや受け入れられないだろうと考える小売業者と消費者の間で混乱を引き起こした。そのため、NBCとフン・セン首相の両方から、全ての米ドルは「法定通貨」と見なされる繰り返しの呼びかけにも関わらず、地元の業者が米ドルの受け入れを拒否したという報告があった。このような物語と狂乱は、噂が誘発するパニックに人々が押し寄せる多年に渡る傾向を指し示している。はたからみると、高度な技術社会では物語や迷信から離れる可能性があるが、カンボジアのような国では信じる傾向にあるのが現実である。「カンボジア人は内戦と虐殺体制を経験したことで、人々をあらゆる信念に対して脆弱にした。誰もが死を恐れていることは疑う余地がないが、彼らが経験したこと典型的な恐怖を超えていた。彼らは恐怖と絶望の淵に追い込まれ、状況の制御や自己防衛ができなかった。このパニックは世代から世代へ受け継がれている。」と歴史家のサンボ・マナラ教授(Sambo Mnara)は語った。精神科医であり、医科学大学の元部長であったカサンバウナ博士(Ka Sunbaunat)はマナラ教授の分析を繰り返し、「カンボジアは今パニックになっているがこれは彼らにとって新しいことではない。カンボジア人は根拠のない噂や陰謀説に陥る傾向にある。」と緑豆の物語を用いて話した。「カンボジア人は恐れに対して迅速に行動するが、そのような恐れはすぐに収まる。」と博士は述べた。博士によると、パニックは精神疾患ではなく、不安を誘発する状況にさらされている人がパニックになる傾向がある。他の多くの問題と同様に、大規模なパニックを抑える鍵は教育である。人々はどの情報を受け入れ、無視するかを批判的かつ適切に見分ける方法を学ぶ必要がある。彼らの信念と行動は論理的根拠に基づいた信頼できる情報にのみ左右されるべきであり、伝聞ではないことを伝える必要がある。批判的思考は学校で教えるだけではない。ソーシャルメディアによって届けられる必要がある。これには、どのニュースが信頼できるかどうかを学ぶことが含まれる。現在、混乱を招く誤った情報を陰謀論を永続させる場が無数にある。そのような慣行は、疑いなく専門的でなく非論理的であるため、一刻も早くなくなるべきだ。大量のヒステリーは人々が想像するよりも遥かに多く、時には命さえも犠牲にし得る。自分たちの問題を理解し改善するのは国民自身だ。

(各種ニュースサイトを参考に作成しています。)