【コラム】結婚式に招待されたら②

話を戻しましょう。
カンボジア人から結婚式の招待を受けた場合、
基本的に遠慮は無用です。行った方が喜ばれます。
外国人の友人がいる、というのは農村部ではちょっとしたステータスなので
場合によっては物珍しさに連れ回されたり撫で回されたりもしますが、
好奇心と親愛の表れだと思って、ニコニコしておけばOKです。
どのみち披露宴会場では大ボリュームで爆音BGMが鳴っており、
テーブルでの会話などは物理的に不可能(聞こえません)ですので、
クメール語の心配をする必要も、あまりないのです。
テーブルに運ばれて来る飯を食って、目があった人に笑いかけて、
あとはひたすら乾杯を繰り返す、というのが披露宴です。
およそ5分か10分に一度、乾杯をします。

会場の何が判断しているのかは謎ですが、どこかのタイミングで
出席者が(自主的に)輪になって踊り出す事があります。
司会者が「それでは、そろそろ!」と促して来るわけでもなく、
式進行次第の様な決められたプログラムがあるわけでもなく、
そして、スペースの問題なのか、必ずダンスが行われるわけでもないのですが、
なんでしょうね、おそらく彼らなりの呼吸と、場の空気で、
みんなが「これはそろそろ踊る感じだな!」って思うんでしょう。
BGMがそれっぽいダンスミュージックを流し始めたら、とか
暗黙の了解が、カンボジア人出席者には共有常識としてあるのかもしれません。
我々外国人も当然の様に輪に呼び込まれますが、
ダンスステップも種類が色々あり、当然の様によく分かりません。
とは言え、外国人が完璧にクメールステップをこなす事は、
そもそも期待されてはいませんので(踊れたらそれはそれで喜ばれます)
困惑しながらも、笑顔で踊ればいいんじゃないかと思う次第です。
結婚式にはだいたい、ケータリング業者が呼ばれ
会場の横などで料理を作っています。
以前にも書きましたが、火が通っている料理を選んで口を付けましょう。
揚げ物や焼肉など、我々でも食べやすいものもありますので、
安全に見える料理を食べながら、ビールやソフトドリンクなど
適当に置いてある飲み物を開けて、満足したら帰ってOKです。
クメール式の結婚式は、開始時間などもあくまで目安であり、
開始時間前に会場に着いたところで、下手したら迷惑がられます。

結婚式料理は多人数で取り分ける事を想定して作っているので、
テーブルにある程度の人数が座ってから提供するのが普通で、
1人ないし2人だけ座っているテーブルには料理は持ってきてもらえません。
例えば2人連れで結婚式場に行くと、同じ様に2人連れで座っている、
見知らぬカンボジア人組とガッチャンコ相席で座らされ、
4人座ったところで料理提供スタート、といった感じになります。

開始時間も目安と言いましたっが、終了時間というものもありません。
皆が皆、流れ集合の流れ解散です。
次のアポがあったため参列45分で帰った事がありますが、
大事な事は顔を出す、という行為の様で、特に何も言われませんでした。
そもそも新郎新婦は結婚式当日は、参列者のお迎えを長時間やった後、
急いで衣装を着替えて披露宴に参加、お色直し回数も多いため、
参列者と会話したりする時間はほとんどありません。

新郎新婦に入口で挨拶をして、
ある程度テーブルで料理を楽しんだら、
あとは適当に満足したタイミングで帰宅します。
ご祝儀を渡すのは、この時です。

あらかじめ招待状にはポチ袋が同封されていますので、
ポチ袋に自分の名前を書いて、ご祝儀を入れます。
カンボジア人いわく、出された料理がおいしくなかったら、
ご祝儀は減らしてもいいそうです。(減らした事はありませんが)
よく質問されるのは、ご祝儀の相場について、です。
これは、結婚される人との距離感によります。

例えば長年一緒に家族の様に過ごしてきた、
唯一無二のパートナーの様な人になら、
カンボジア人同士でも100~300$はご祝儀を出します。
見栄を張る必要のある立場の人は、1000$も有り得ます。
今まで聞いた一番高いご祝儀は、5000$でした。
そうではなく、例えば職場のスタッフの一人、というぐらいなら、
20$程度でも大丈夫です。
自分の信頼する直近の部下、ぐらいの距離なら50~100でしょうか。
もちろん出す方、出される方の経済状況にもよりますし、
必ずしも決まっているわけではありません。
私個人の経験で言うと、10代から義弟義妹の様にかわいがっていた、
公私ともに助けてくれていたカップルが結婚した際には、
たしか200か300$、出した様に記憶していますが、
さすが兄貴、と言ってもらえました。面目が立ったという事でしょう。

もう一つ、カンボジア人は自分の親戚や兄弟が結婚する際にも、
当人と面識のない外国人にも招待状をくれます。
「君の結婚式じゃないの?」「私ではなく弟です.
といったケースです。もちろん結婚する弟さんとは面識ありません。
こういった時は無視しても怒られないとは思います。
ただ結婚するのがスタッフの家族だったりする場合、
スタッフの顔を潰すのも不本意なので、10$くらい包んでいました。
やり始めるとキリのない話なので、どこかで線引きは必要かと思います。

私自身は結婚式を挙げた事はありませんので、聞いた話ですが、
そこそこ参列者が来てくれるぐらい人望のある人なら、
結婚式代を引いても、それなりに利益は出るそうです。
ザックリとご説明しましたが、せっかくの異国式結婚式、
もし誘われたら前向きに楽しんでいただけたらと思います。